Kotobano Izumi

英語・多言語学習のコツを一滴、またポトり

コトバの泉
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「文法用語が英語より難しい」英語を学びたい人を直撃する日本語

日本人にとって英語というのは当然外国語なのですが、英語の文法書の中に出てくる日本語が外国語並みに難しいと感じた人は多いはずです。例えば、「名詞、抽象名詞、固有名詞、集合名詞、自動詞、他動詞」などなど挙げていけばきりがないでしょう。これらの用語を聞いて耳に心地よいと感じる人は極少数で、殆どの人は頭が痛くなること間違いなしです。英語も日本語もどちらも同じ「言語」というカテゴリに入るのですが、日本語を習得する上ではこのような言葉は必要なかったはずです。なぜ英語を勉強する時には、頭痛の種とも言えるこれら文法用語が出てくるのでしょうか。

 

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名詞的用法・形容詞的用法、文法書はとにかく漢字の羅列が反乱している

英語の文法の勉強がなかなか好きになれないという人の最大の理由は「文法用語が難しすぎて理解できない」ことにあると思います。逆に言えば少しでも文法用語を知れば、その分だけ英語の文法が身近に感じられるのです。この記事では読者の皆さんが、日本語を習得する上で文法用語が必要なかった理由を知り、それが出てきてしまう英語学習でどのように用語に向き合えば良いのか、そしてどのくらい必要なのかという「英文法学習の指針」について解説します。ご自身の身につけたい英語力と照らし合わせて読めば、必要な文法用語はどこまでなのかが明確になることでしょう。

外国語を学ぶ時に文法用語が必要なワケ

国語学習の出発点として、母国語の習得プロセスと外国語のそれは違うのだという認識を持っているかが大切なポイントです。そのため、まずは日本語の場合をちょっと見ていきましょう。

・朝何も食べなかったから、お腹が減っています。
・明日から休みだ。
・社会人として仕事を始めてからが、本当の人生だ。

一見普通の文ですが、日本語を専攻として学んでいる外国人ならこんな風に「から」の使い方を勉強しています。

「から」は接続助詞・格助詞・準体動詞として使う。

私達日本人はこのような文法用語を知りませんが、何も考えずに自然と「から」という言葉が使えます。それは「から」という語を感覚的に100%理解しており、「から」が必要な必要な状況になれば即座に出てくるように頭がプログラムされているからです。そのため、何も接続助詞などといった難解な語を用いなくとも感覚で処理しきれているため、そもそも文法用語は必要ないわけです。対して、日本語を外国語として学んでいる人たちは日本語の感覚がまだ身についておらず、「から」という言葉を我々日本人と同じように使うことができません。この感覚のズレを補うために、上に挙げたような用語を通して、日本人と同じように言葉が使えるように学習しているのです。

したがって、用語を通して外国語を学習する真の目的とは、その言語のネイティブの感覚に到達することだと言えるでしょう。

そういうことから、日本人と同じ感覚で日本語を使えるようになった人は、学習過程でお世話になった用語から無事卒業でき、以後用語を必要としない自由な日本語運用が可能となるのです。

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文法用語から卒業した時の開放感。自由に英語を話す時が来た!

用語を知ることで英語はできるようになるか

それならば、ということで「用語を介さないで日本語を身につけれたから、英語も用語を使うことなく感覚で身につければいいんだ」と思うかもしれません。もちろん、それができればそれに越したことはないのですが、現実問題かなり制約がかかってきます。そもそも日本語の場合、「あいうえお」も知らない赤ちゃんの時から膨大な量の日本語を意味も分からず聞き流し、言葉になっていないような言葉でコミュニケーションを取るところから始めたのです。何年もそうしていくうちに徐々に日本語の感覚ができてきて今の日本語力に至っているわけです。毎日の仕事や勉強に追われる日々の中でそのような時間的な贅沢ができたり、何を言っているか分からない赤ちゃんレベルの英語を周りの人全てが許容してくれるのであれば、赤ちゃんが母国語を習得したように英語も身につけられます。

当たり前ですが、年齢が上がるほど上の方法は取れなくなります。その代わりに大人となった私たちは、既に身につけた母国語を適切に頼りにして英語を学んでいきます。それが文法用語なのです。いわば自動車学校のようなもので、最初は標識の名前や自動車の様々な用語を覚えなければなりませんが、免許を取って数年経つ頃にはそのような用語を頭の中で使って考えることなく、感覚だけで車を運転できるようになるものです。このように、英語を学ぶ上での用語は、感覚だけで英語を使えるようになるまで付き添ってくれる教官のようなものだと思えば良いでしょう。

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文法用語は感覚的に英語を操れるまで付き添ってくれる教官だ

以上のことを踏まえると、ある文法の用語を知るということはその文法をネイティブスピーカーの感覚までに落とし込む第一歩だと言えます。言い換えれば、用語を知れば知るほど感覚的な運用ができる英文法が増えるということです。その上、赤ちゃんがするような時間のかかる学習過程をスキップできるので効率的だとも言えます。

まずは皆さんが到達したい英語のレベルを決めていただき、そのレベルの文法書にざっと目を通しどんな用語が出てきているかを確認するとが、今後の勉強の指針になることでしょう。

教材大国日本は英語学習に最適な国か

英語を勉強する最高の方法は留学だという考えが広まっているためか、とりあえず海外に行って語学学校に通えば英語力が付くと思われがちです。しかし、実はそうでない場合の人の方が圧倒的多数であるのが現実です。は留学とは実戦であり、今までの学習を実体験を通して感覚レベルまで引き上げる場だということです。そのため、国内での学習が乏しいのに、海外にとりあえず行けば英語が話せるようになると信じている人は、時間やお金ばかりではなく、自信までも失う結果に終わります。そのような方々は、国内で身につけたいレベルまでの英語の学習を一通り済ませておくべきです。その点、優れた英語の教材が多い日本は効率的・効果的な学習の場となるのです。

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日頃の勉強の成果を会心の一撃としてネイティブに放つ。それが留学だ。

読者の皆様の中に既に留学が決まっている方は、学習の成果を少しでも現地でモノにできるように、今からでも遅くないので英語の学習に力を注いでおきましょう。

さて、教材大国・日本にいるだけで英語を勉強するにあたり恵まれているという話に入るわけなのですが、日本ほど英文法を懇切丁寧に解説している本を出版している国は無いと言えるでしょう。事実、オーストラリアで教鞭を取っていた時に、色々な国の英文法書を目にする機会がありましたが、どれも質は日本のものに比べたら激しく低い代物ばかりでした。(特に南米系の国の文法書は解説が少なく用法集的なものだった。) 日本の教材の優れている点は、イラスト、特に洗練されたイラストが多く、読むだけで英文法の感覚が掴めるものが多いことです。そればかりではなく、難解な用語を極力避け、平易な表現だけで読者が英語の感覚を掴めるような解説が多いのです。したがって、まだ英語の文法に全く自信がない人ほどそういった入門書に何冊か目を通すことから始めると良いでしょう。

誤解していただきたくないのは、「文法用語は必要ない」とは言っていないことです。用語を積極的に避けて勉強することは、決して効果的ではありません。ある程度の用語は知っておかないと、学習のどこかでつまずいてしまうのです。また日本語を例にして見ていきましょう。

日本語を教えていた時に実際にあった例ですが、ある日本語学習者が以下のように

「と」= 「and」の意味である

と覚えていたとしましょう。

そのため

お母さんとお父さん (mother and father:名詞2つ)

と同じ要領で、

ギターの音はうるさいと迷惑です (loud and annoying:形容詞2つ)

としてしまうのです。

感覚では「の」は2つの言葉をつなぐ時に使えるというのを理解はしているようです。しかし、「の」は2つの名詞をつなぐ時には使えるが、形容詞をつなぐ時には使えない
ということを理解していなかったため、この間違いが発生したのです。

このように、「自分が理解している日本語の感覚」と「正しい日本語の感覚」の間にズレがある時、間違いが起こります。そのため、用語を学ぶということはどういう時に自分の感覚が正しく、どういう時にその感覚が通用しないかを知る手がかりになります。言い換えれば、文法用語を知るということは、文法感覚を磨く研ぎ石を手に入れるようなものなのです。

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文法用語は英語感覚をより尖らせる研ぎ石とも言える

したがって英語の勉強では、日本の優れた教材を使用し感覚から文法に入って、文法用語でその確認をする、というのが教材大国・日本における文法力強化法でしょう。

ただ、一口に文法用語と言っても、名詞・形容詞といった基本的なものから、斜格・可逆動詞などといった超上級語まで幅広く存在します。まず、よほど難解な文法書を選ばない限り、超上級用語は出てこないのでそういったものは覚えなくとも良いでしょう。一般的に中学校レベルの文法用語を知っておくだけで、文法の本はかなり分かるようになります。目安として、中学英語の参考書の目次に出てくるような用語だけ押さえておけばよい、ということが言えるでしょう。数はあまり多くなく、その用語達に目を向ける手間さえ惜しまなければ、むしろ後々英語の勉強が楽になるのです。

例えば英文法に、「どんなものがあって、どういう時に、どんな風に使えるか」を整理することができます。

裏を返せば、「どういうものが、どういう時に、どんな風に使えないか」というNGなタイミングを知ることができます。そのおかげで、例外的な状況にも段々と対応できるようになり、表現の幅が広がります。

他にもう一点、中学レベルの文法用語は最低限知っておきたい理由があります。
それは、初級の文法の学習を終えて文法が中級レベルになり、更に上を目指したくなった時、上級英語の勉強段階への橋渡しができるようになる点です。いくら教材大国日本といえども、感覚理解を推し進めている教材はまだまだ初級・中級・中上級の教材に限られており、上級のものは数少ないのです。そのため、感覚理解中心で中上級まで学習を進めいざ上級英語の扉を開こうとすると、難しいのは英語ではなく、教材の中の文法用語(日本語)だという場合が極めて多いのです。つまり、中上級教材から上級教材への橋渡しができるように、最低限中学レベルの用語を知っておかないといけないのです。

もちろん、学習の度合いが進むにつれて、用語の理解も深めていくのが一番の理想ですが、学習の面白みを損なわないためにも、中学英語以上の用語は後回しでも何とかなるケースが多いです。

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最低限の用語を知っていれば旅を楽しめる

このように、中学英語の文法用語を知っておくことで得られるメリットは大きい、という理解を常に念頭に置いておくと良いでしょう。

最後に

いかがでしょうか。これまで頭を悩ませる存在でしかなかった文法用語が、実はそれほど忌み嫌う対象ではないのだという見方に変わったでしょうか。感覚と用語。一見対立しているように見えるこの二者は、互いに助け合う関係にあるのです。そのため、学習上どちらが欠けても不自由です。

日本では英語を身につけることの重要性が近年ますます叫ばれていますが、筆者は「英語よりもまず母国語」であると思っています。それが意味しているのは、確かな英語力は母国語の揺るぎない基盤の上に成り立つということです。英語の文法用語を1つ知る度に、日本語と英語の対比が生まれます。したがって文法用語は、英語を透視するレンズであるだけではなく、日本語をより深く知る顕微鏡のレンズでもあるのです。文法用語の理解を通して母国語力の強化に繋がれば、それに応じて英語での表現力も上がるものです。このような、母国語との兼ね合いも常に念頭に置いて英語を学習されると、一段と大きな成果が期待できるでしょう。

語彙や文法ではない!伝わる英語の鍵は英文ライティングだ!その真価と練習法

オーストラリア滞在歴5年間、日本語・英語パーソナルトレーナーのLangtaroです。英語って、勉強すればするほど新しい壁が出てきますよね。


今日はオーストラリアにいた時かなり派手にぶつかった壁について書きます。

さて、英語を勉強していてこんな風に思ったことはないですか?

話して伝えるのはある程度できるけど、書いて伝えるのは苦手だなぁ

ドーーーーーン!英会話の壁をやっと乗り越えたと思ったら、英作文の壁だと!?

英語を話せるようになれば、勝手に書けるようになるさ という甘い気持ちを持っていた自分を絶望の淵に放り投げる壁が登場!

真っ白の紙を見つめる、書けなささに落胆する、そして自分の甘さを見つめ直す自分。

こういう時に出てしまいます、困ったら自分と同じ様な人がいないか見渡してしまう癖。

すると意外なことに、自同じような人が多いことに気付きました。

当時知り合った日本人の多くも、話を聞いてみたらこの悩みを抱えていたのです。それだけではなくて、留学に来ていた他の国の人達も同じ悩みを漏らしていました。アジア諸国の人・南米系の人・ヨーロッパ系の人、その他もろもろ。

そうか、これは英語を学ぶ世界中の人に共通する問題なんだ。

と気づけたら、少しは気は楽になったものの、何かしなければこの壁は超えられない。というわけで、今日のテーマは2点です。1つ目はそもそもこの壁に挑戦する価値があるかどうか。そして2つ目が、私なりの攻略法です。

でもその前に言っておかないといけない事が1つ。ここで言う”書く”というのはSMSやLINE等のアプリで短文を書くことではなく、自分の考えをビシっとある程度の長さの段落にまとめて表現することです。いわゆる文章表現ですね。日本での例だったら、中高生の時にやっていたような”小論文”のようなものでしょうか。苦手だった人、嫌いだった人、多かったのではないでしょうか?

正直、あれは僕も嫌いでした

というか、

正直、そんなスキル必要なの?

とすら思っていました。

ああ。。母国語でも難しいというものを英語でやるの?

と、今もしかして思っていませんか?

でも英語で教える仕事をしている今だから思えるのは、

母国語ではない英語だからこそ、この壁に挑戦する意義がある

ということです。
まずは母国語ではない英語でライティングをすることの価値から見ていきましょう。

英文ライティングの練習で友達作りが楽に!

1言語1感性。

これは僕が日本と英語を教えていて切実に思ったことです。
外国語を勉強するということは、自分がその言語圏の中で機能するための感性を手に入れることなんだなと。
つまり、英語を学ぶということは英語の感性を築くということなんですよね。
それでは、英語の感性を身につけると何が起きるのか?
ずばり、

英語という枠の中で論理的な情報伝達ができるようになる

のです。
この”英語という枠の中”というのがミソです。
この記事を読んでいる読者さんは英語を学んでいる方々だと思うのですが、多くは”外国の人とコミュニケーションをしたい”と強く思っているのではないでしょうか? もちろん私もその内の1人です。同時に、日本人の感性を持つ1人でもあるのです。この感性はいわゆる、「相手の言わんとする事を察したり、また自分の言いたいことを相手に察せさせるという大方の日本人なら標準装備している人格スキル」を指します。そしてこれは、日本語という枠の中で最大限の威力を発揮するものなのです。

僕は日本語を教えている身ですから、この日本人ながらの感性は素敵だと思っています。ただ、時々この感性が問題になってしまうことがあるのです。
その1つが、

日本語の感性が通じる枠の外にそれを持ち込んでしまう時

なんです。
例えば英語圏に持ち込んでしまうことです。
こうなってしまうと、こちらは論理的に話しているつもりなのに、相手には非論理的に聞こえてしまうという問題が起きるのです。その主な理由は、日本語環境という枠内において論理的に正しいとされていた、察する・察せさせるというコミュニケーション方法が英語環境という枠内に持ち込んだ瞬間に論理的に正しいとされなくなってしまうからです。
その逆も然りで、英語の感性を日本語圏に持ち込んでも同じ様なぎこちなさが生じてしまうのです。この場合、1を聞いて10を分かってもらえることを良しとする日本語環境では、2から9までを逐一説明することは鬱陶しいこととして捉えられてしまうのです。
ここまでをまとめると下のようになります。

日本語という枠の中では1を聞かせ10を分からせる伝え方は論理的に正しい。
英語という枠の中では1から始め9まで飛ばさず10に到達する伝え方は論理的に正しい。

コミュニケーションの礼儀の1つは、スムーズにお互いを分かり合える努力をすることだと僕は信じています。
英語圏に行って、相手に察してもらうことを常に前提とした日本語式の伝え方では、相手に失礼です。丸投げのコミュニケーション。無礼です。
誰も無礼な話し方をする人を友達にしたいと思いませんよね?

とここまで書きましたが、要は思いやりが大事だということなのです。
英語圏の人にとって分かりやすい話し方をする。

AだからB、BだからC、という情報の伝え方をすることが礼儀の1つであり、これは一種の思いやりのある話し方だ

と思うのです。

そんな姿勢で努力を続けていったら、人付き合い・友達作りも円滑になるはずです。

事実、僕自身日本語的な伝え方を英語圏にフィットするような伝え方に変えただけで英語ネイティブの友達が作りやすいと感じるようになりました。

そして、

英文ライティングこそ、この伝え方の最強のトレーニングなのです。

なぜだ、

なぜだ、、、

なぜそうなのか?


その理由は2つあるのですが、
1つ目ずばり、英語ならではの情報の伝え方を可視化して練習できることです。
会話中でもできなくはないのですが、会話を進めながら常に自分の言ったことを心の中でモニターしていなければなりません。ただでさえ英会話という難易度が高めの設定で一瞬一瞬気が抜けない状態なのに、モニターし続けるのは至難の技でしょう。その点情報に文章という形を持たせることが出来るライティングには決定的な利点があるのです。それは、いつでも好きな時にスタート地点に戻って、「AだからBと言える、BだからCなんだ」という話の繋がり方をじっくり考えられる余裕があることです。


2つ目は、新しいものを増やさなくても始められることです。
どういうことかというと、通常英語の勉強といえば新しい単語を勉強することや、新しい文法を覚えると言った、何かを増やすことに焦点がありますがこのページの中で目指しているライティングは違います。ここで言う書く練習は情報の伝え方の順番の練習であるため、

今の自分の英語力で最も伝わりやすい話の組み立て方は何だろう

を研究することが最優先事項なのです。

これを日常生活に取り入れることにより、例え明日英語で何かを伝えなくてはならなくなった時も、落ち着いた対応をすることができ、急場をしのげる可能性がぐっと上がります。単語力の問題ではないのです。文法の問題でもないのです。発音の問題でもないのです。話の運び方の問題なのです。情報伝達の順番を変えるだけで、今の自分の英語力で常に最高のパフォーマンスを叩き出すことができるようになるのです。

ということから、

自分には単語力がないから

自分には文法が足りないから

という言い訳は、情報伝達の順番を鍛えるライティングの練習の前では通用しなくなるのです。
そもそも、今の自分の英語力で最高のパフォーマンスを出すのに、無いものに目を向けていても仕方ないですよね?
それでは次のセクションでは、ライティング練習の私なりの具体的なやり方を紹介していきます。

英語で伝える力を鍛えるライティングの練習法

まず概要をまとめてみました。

1.最終的に何を主張したいか決める (結論)
2.書きたいことを図に落とし込む
3.書く順番を決める
4.書きたいパラグラフを1つだけ選ぶ
5.余裕があれば添削してもらう

1.最終的に何を主張したいか決める (結論)

これはいきなり書く前にゴールを決めようと言い換えることもできます。ライティングとは航海のようなものです。目的地の無い航海に意味が無いように、やはり結論の無いライティングにも意味が無いのです。そもそも情報を伝える練習であるので、伝えるものがなければ練習になりませんよね?まずは一番伝えたいことを決めよう。

2.書きたいことを図に落とし込む

次にすることも、やはりいきなり書く前に踏んでおいた方が良いステップです。それは結論というゴールにどういう順番で迫っていくかを図式化することです。こうすることによって、書いている内にあれも足そう、これも足そうという無計画要素を減らすことができ、書いている内に目的地を見失う確率が極限まで減ります。図式化するにあたっては箇条書きでも良いし、マインドマップでもよいです。図として表現されている限りは。

3.書く順番を決める

頭の中のアイディアを図として整理できたら、全体を通しての前後関係が繋がるように書く順番を決めることです。この結論を言いたいからまずAを言おう。AだからBだ。BだからCだ。Cだから結論だ。このように始点から終点までの情報がつながっているか。また、余分な情報が入っていて結論に到達するにあたって遠回りしていないかを確認します。特に注意したいポイントは3つ。まず結論を最初に持ってくること。次に1段落1主張を守ること。最後に予備知識がない人にもあなたの主張が伝わるようにするための必要な情報を漏らさないこと。パラグラフ構成に関しての深い部分は後日また別記事でみていきたいと思います。

4.書きたいパラグラフを1つだけ選ぶ

ここが私のライティング練習法の核になります。普通なら、全てを通して英文で書くようにと言われますが私の方法は違います。その理由が3つあります。

1つ目は、忙しいからです。読者のみなさんの多くは仕事や学校などで忙しい中時間を割いて本記事を読んでくださっているはずです。整った日本語で筋道立てて書くのは日本語でも難しい上に、それを慣れない英語で書かないといけないとなると、1回につき一体何時間割かなければならないでしょうか?そんなまとまった時間を取るのはまず難しいでしょう。それなら1パラグラフだけ書けば良いのです。特に自分が書きたいと思う1パラグラフを決め、そこに全神経を集中し短期決戦で書き上げるのです。僕の場合はどんな遅くても1~3のステップを踏んでからの書く作業に30分を超えたことはありませんでした。たとえ忙しくても、英語に情熱を傾けている読者の皆さんになら30分という時間を探すのはそれほど無理なことではないはずです。


2つ目は、間違いを定着させないためです。一度の書く量が多いと同じミスを気づかないで延々と繰り返してそのミスが習慣になりかねません。いくら今の自分の英語力でベストパフォーマンスを出す練習をすると言っても、悪習慣をつけてしまうのは避けたいものです。そういった意味では、全部を書くよりは1パラグラフを書くだけの方が学習効率は高いのです。


僕の場合、大学生の頃エッセイを5枚くらい書き溜めして先生に添削をお願いしたことがありました。結果、どのエッセイにも同じ間違いが繰り返されており、習慣になっていました。間違って覚えてしまったものを修正するのは時間がかかります。間違って覚えてしまう前に、ミスに気付けたらこれは大きなプラスです。病気も、英語のミスも、早期発見がポイントなんですよね。

3つ目は、実戦で使える英語になるからです。
人は時間を掛けて書いたものはなかなか忘れないものです。だからこうして書いた内容は会話の時に口からスラスラと出やすいはずです。おまけに、書く前に筋道立てるというワンステップを踏んでいるので、その順番の通りに話したら完全にアドリブで話した場合に比べて相手は遥かに分かってくれるはずです。さらにさらに、
まず結論を決め、そこに至るまでの過程を図にし、書く順番を決め、その中から1番コアとなるアイディアを含んだパラグラフを選んだわけですよね?ということは、その内容はそのトピックの話になった時、一番伝えたい内容ではないでしょうか?そうであるならば、一番伝えたい内容が今の自分にできる一番伝わりやすい形で口から出てくるわけなのですよね。

超実戦的。

5.余裕があれば添削してもらう

せっかく書き上げたパラグラフなのでそこから学び取れるものは最大限に学び取りたいですよね。もしお友達の中に英語のネイティブの人がいたら添削してもらいましょう。同じミスの再発の防止になります。勇気があればFacebookなどでパラグラフを投稿してみるのもいいかもしれません。あるいはオンラインの言語交換プラットフォームなどで添削をお願いしてみるのも良いかもしれません。


添削に関してなのですが、一口に添削と言っても色々な質のものがあります。ざっと目を通して単に良いか悪いかだけを教えてもらう類の荒いものもあれば、単語・文法・言い回しが変な所に下線を引いてくれるものもあります。更に質が上がれば、その間違いの箇所を訂正してくれるものもあります。添削は質が高ければ高いほど、そこから学べるものが多くなるのでなるべくそういう添削先を探しましょう。

ちなみに僕が英文と日本語学習者の日本語の添削をする時は、1つ1つ間違いの箇所を訂正した上でなぜそうなるかの理由をコメントとして書いています。それに加えて、関連単語・関連表現のリストを作って学習の質が更に高められるようにしています。最後に、こうすればもっと良くなるなどの次に繋がるようなアドバイスをつけています。もちろん英語の順番で情報が伝えられていなかった場合、その指摘・修正もします。私がそのような添削スタイルを採る理由は、他ならぬ私の英文を見てくれた先生がそれに近い形で添削をしてくれたからです。恩師の添削クオリティーを超えたい、という思いから関連単語・関連表現リストの追加をするようにしました。


あのイギリス人の先生の英語の指導に対する情熱にはただただ頭が下がる思いがするばかりです。1つのパラグラフを提出したら、コメントがA4の紙1枚、時には2枚びっしりと書いてあったのです。きっと1つのパラグラフを添削するのに1時間~2時間はかかっているのでしょう。そんな先生に出会えたことは実に幸運だったと今でも思っています。


せっかく時間と全力を投入して書き上げた英文ですから、時間やお金とも相談して自分に一番合った添削先が見つかると良いですね。

まとめ

日本語圏には日本語に合った情報伝達の順番があり、英語圏には英語に適した伝え方の順番がある。そのため英語を使う時は、普段の日本語の伝え方習慣を英語のものに変えるだけでコミュニケーションを円滑にすることができる。そこから得られるメリットは計り知れない。英語式の伝え方はライティングで磨くことができ、まとまった時間を取らないため今すぐ始めることができる。

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いかがでしたでしょうか。
英語は話せてなんぼとも言われますが、私は英語は伝わってなんぼだと信じています。伝わればもっと話したいと思われ、一歩深い交流ができます。そしてより仲の深い友達ができるようになります。そのための英文ライティングです。


あなたが英語で世界に発信したいことは何ですか?