Kotobano Izumi

英語・多言語学習のコツを一滴、またポトり

コトバの泉
その一滴があなたを変える
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Coming soon!

語彙や文法ではない!伝わる英語の鍵は英文ライティングだ!その真価と練習法

オーストラリア滞在歴5年間、日本語・英語パーソナルトレーナーのLangtaroです。英語って、勉強すればするほど新しい壁が出てきますよね。


今日はオーストラリアにいた時かなり派手にぶつかった壁について書きます。

さて、英語を勉強していてこんな風に思ったことはないですか?

話して伝えるのはある程度できるけど、書いて伝えるのは苦手だなぁ

ドーーーーーン!英会話の壁をやっと乗り越えたと思ったら、英作文の壁だと!?

英語を話せるようになれば、勝手に書けるようになるさ という甘い気持ちを持っていた自分を絶望の淵に放り投げる壁が登場!

真っ白の紙を見つめる、書けなささに落胆する、そして自分の甘さを見つめ直す自分。

こういう時に出てしまいます、困ったら自分と同じ様な人がいないか見渡してしまう癖。

すると意外なことに、自同じような人が多いことに気付きました。

当時知り合った日本人の多くも、話を聞いてみたらこの悩みを抱えていたのです。それだけではなくて、留学に来ていた他の国の人達も同じ悩みを漏らしていました。アジア諸国の人・南米系の人・ヨーロッパ系の人、その他もろもろ。

そうか、これは英語を学ぶ世界中の人に共通する問題なんだ。

と気づけたら、少しは気は楽になったものの、何かしなければこの壁は超えられない。というわけで、今日のテーマは2点です。1つ目はそもそもこの壁に挑戦する価値があるかどうか。そして2つ目が、私なりの攻略法です。

でもその前に言っておかないといけない事が1つ。ここで言う”書く”というのはSMSやLINE等のアプリで短文を書くことではなく、自分の考えをビシっとある程度の長さの段落にまとめて表現することです。いわゆる文章表現ですね。日本での例だったら、中高生の時にやっていたような”小論文”のようなものでしょうか。苦手だった人、嫌いだった人、多かったのではないでしょうか?

正直、あれは僕も嫌いでした

というか、

正直、そんなスキル必要なの?

とすら思っていました。

ああ。。母国語でも難しいというものを英語でやるの?

と、今もしかして思っていませんか?

でも英語で教える仕事をしている今だから思えるのは、

母国語ではない英語だからこそ、この壁に挑戦する意義がある

ということです。
まずは母国語ではない英語でライティングをすることの価値から見ていきましょう。

英文ライティングの練習で友達作りが楽に!

1言語1感性。

これは僕が日本と英語を教えていて切実に思ったことです。
外国語を勉強するということは、自分がその言語圏の中で機能するための感性を手に入れることなんだなと。
つまり、英語を学ぶということは英語の感性を築くということなんですよね。
それでは、英語の感性を身につけると何が起きるのか?
ずばり、

英語という枠の中で論理的な情報伝達ができるようになる

のです。
この”英語という枠の中”というのがミソです。
この記事を読んでいる読者さんは英語を学んでいる方々だと思うのですが、多くは”外国の人とコミュニケーションをしたい”と強く思っているのではないでしょうか? もちろん私もその内の1人です。同時に、日本人の感性を持つ1人でもあるのです。この感性はいわゆる、「相手の言わんとする事を察したり、また自分の言いたいことを相手に察せさせるという大方の日本人なら標準装備している人格スキル」を指します。そしてこれは、日本語という枠の中で最大限の威力を発揮するものなのです。

僕は日本語を教えている身ですから、この日本人ながらの感性は素敵だと思っています。ただ、時々この感性が問題になってしまうことがあるのです。
その1つが、

日本語の感性が通じる枠の外にそれを持ち込んでしまう時

なんです。
例えば英語圏に持ち込んでしまうことです。
こうなってしまうと、こちらは論理的に話しているつもりなのに、相手には非論理的に聞こえてしまうという問題が起きるのです。その主な理由は、日本語環境という枠内において論理的に正しいとされていた、察する・察せさせるというコミュニケーション方法が英語環境という枠内に持ち込んだ瞬間に論理的に正しいとされなくなってしまうからです。
その逆も然りで、英語の感性を日本語圏に持ち込んでも同じ様なぎこちなさが生じてしまうのです。この場合、1を聞いて10を分かってもらえることを良しとする日本語環境では、2から9までを逐一説明することは鬱陶しいこととして捉えられてしまうのです。
ここまでをまとめると下のようになります。

日本語という枠の中では1を聞かせ10を分からせる伝え方は論理的に正しい。
英語という枠の中では1から始め9まで飛ばさず10に到達する伝え方は論理的に正しい。

コミュニケーションの礼儀の1つは、スムーズにお互いを分かり合える努力をすることだと僕は信じています。
英語圏に行って、相手に察してもらうことを常に前提とした日本語式の伝え方では、相手に失礼です。丸投げのコミュニケーション。無礼です。
誰も無礼な話し方をする人を友達にしたいと思いませんよね?

とここまで書きましたが、要は思いやりが大事だということなのです。
英語圏の人にとって分かりやすい話し方をする。

AだからB、BだからC、という情報の伝え方をすることが礼儀の1つであり、これは一種の思いやりのある話し方だ

と思うのです。

そんな姿勢で努力を続けていったら、人付き合い・友達作りも円滑になるはずです。

事実、僕自身日本語的な伝え方を英語圏にフィットするような伝え方に変えただけで英語ネイティブの友達が作りやすいと感じるようになりました。

そして、

英文ライティングこそ、この伝え方の最強のトレーニングなのです。

なぜだ、

なぜだ、、、

なぜそうなのか?


その理由は2つあるのですが、
1つ目ずばり、英語ならではの情報の伝え方を可視化して練習できることです。
会話中でもできなくはないのですが、会話を進めながら常に自分の言ったことを心の中でモニターしていなければなりません。ただでさえ英会話という難易度が高めの設定で一瞬一瞬気が抜けない状態なのに、モニターし続けるのは至難の技でしょう。その点情報に文章という形を持たせることが出来るライティングには決定的な利点があるのです。それは、いつでも好きな時にスタート地点に戻って、「AだからBと言える、BだからCなんだ」という話の繋がり方をじっくり考えられる余裕があることです。


2つ目は、新しいものを増やさなくても始められることです。
どういうことかというと、通常英語の勉強といえば新しい単語を勉強することや、新しい文法を覚えると言った、何かを増やすことに焦点がありますがこのページの中で目指しているライティングは違います。ここで言う書く練習は情報の伝え方の順番の練習であるため、

今の自分の英語力で最も伝わりやすい話の組み立て方は何だろう

を研究することが最優先事項なのです。

これを日常生活に取り入れることにより、例え明日英語で何かを伝えなくてはならなくなった時も、落ち着いた対応をすることができ、急場をしのげる可能性がぐっと上がります。単語力の問題ではないのです。文法の問題でもないのです。発音の問題でもないのです。話の運び方の問題なのです。情報伝達の順番を変えるだけで、今の自分の英語力で常に最高のパフォーマンスを叩き出すことができるようになるのです。

ということから、

自分には単語力がないから

自分には文法が足りないから

という言い訳は、情報伝達の順番を鍛えるライティングの練習の前では通用しなくなるのです。
そもそも、今の自分の英語力で最高のパフォーマンスを出すのに、無いものに目を向けていても仕方ないですよね?
それでは次のセクションでは、ライティング練習の私なりの具体的なやり方を紹介していきます。

英語で伝える力を鍛えるライティングの練習法

まず概要をまとめてみました。

1.最終的に何を主張したいか決める (結論)
2.書きたいことを図に落とし込む
3.書く順番を決める
4.書きたいパラグラフを1つだけ選ぶ
5.余裕があれば添削してもらう

1.最終的に何を主張したいか決める (結論)

これはいきなり書く前にゴールを決めようと言い換えることもできます。ライティングとは航海のようなものです。目的地の無い航海に意味が無いように、やはり結論の無いライティングにも意味が無いのです。そもそも情報を伝える練習であるので、伝えるものがなければ練習になりませんよね?まずは一番伝えたいことを決めよう。

2.書きたいことを図に落とし込む

次にすることも、やはりいきなり書く前に踏んでおいた方が良いステップです。それは結論というゴールにどういう順番で迫っていくかを図式化することです。こうすることによって、書いている内にあれも足そう、これも足そうという無計画要素を減らすことができ、書いている内に目的地を見失う確率が極限まで減ります。図式化するにあたっては箇条書きでも良いし、マインドマップでもよいです。図として表現されている限りは。

3.書く順番を決める

頭の中のアイディアを図として整理できたら、全体を通しての前後関係が繋がるように書く順番を決めることです。この結論を言いたいからまずAを言おう。AだからBだ。BだからCだ。Cだから結論だ。このように始点から終点までの情報がつながっているか。また、余分な情報が入っていて結論に到達するにあたって遠回りしていないかを確認します。特に注意したいポイントは3つ。まず結論を最初に持ってくること。次に1段落1主張を守ること。最後に予備知識がない人にもあなたの主張が伝わるようにするための必要な情報を漏らさないこと。パラグラフ構成に関しての深い部分は後日また別記事でみていきたいと思います。

4.書きたいパラグラフを1つだけ選ぶ

ここが私のライティング練習法の核になります。普通なら、全てを通して英文で書くようにと言われますが私の方法は違います。その理由が3つあります。

1つ目は、忙しいからです。読者のみなさんの多くは仕事や学校などで忙しい中時間を割いて本記事を読んでくださっているはずです。整った日本語で筋道立てて書くのは日本語でも難しい上に、それを慣れない英語で書かないといけないとなると、1回につき一体何時間割かなければならないでしょうか?そんなまとまった時間を取るのはまず難しいでしょう。それなら1パラグラフだけ書けば良いのです。特に自分が書きたいと思う1パラグラフを決め、そこに全神経を集中し短期決戦で書き上げるのです。僕の場合はどんな遅くても1~3のステップを踏んでからの書く作業に30分を超えたことはありませんでした。たとえ忙しくても、英語に情熱を傾けている読者の皆さんになら30分という時間を探すのはそれほど無理なことではないはずです。


2つ目は、間違いを定着させないためです。一度の書く量が多いと同じミスを気づかないで延々と繰り返してそのミスが習慣になりかねません。いくら今の自分の英語力でベストパフォーマンスを出す練習をすると言っても、悪習慣をつけてしまうのは避けたいものです。そういった意味では、全部を書くよりは1パラグラフを書くだけの方が学習効率は高いのです。


僕の場合、大学生の頃エッセイを5枚くらい書き溜めして先生に添削をお願いしたことがありました。結果、どのエッセイにも同じ間違いが繰り返されており、習慣になっていました。間違って覚えてしまったものを修正するのは時間がかかります。間違って覚えてしまう前に、ミスに気付けたらこれは大きなプラスです。病気も、英語のミスも、早期発見がポイントなんですよね。

3つ目は、実戦で使える英語になるからです。
人は時間を掛けて書いたものはなかなか忘れないものです。だからこうして書いた内容は会話の時に口からスラスラと出やすいはずです。おまけに、書く前に筋道立てるというワンステップを踏んでいるので、その順番の通りに話したら完全にアドリブで話した場合に比べて相手は遥かに分かってくれるはずです。さらにさらに、
まず結論を決め、そこに至るまでの過程を図にし、書く順番を決め、その中から1番コアとなるアイディアを含んだパラグラフを選んだわけですよね?ということは、その内容はそのトピックの話になった時、一番伝えたい内容ではないでしょうか?そうであるならば、一番伝えたい内容が今の自分にできる一番伝わりやすい形で口から出てくるわけなのですよね。

超実戦的。

5.余裕があれば添削してもらう

せっかく書き上げたパラグラフなのでそこから学び取れるものは最大限に学び取りたいですよね。もしお友達の中に英語のネイティブの人がいたら添削してもらいましょう。同じミスの再発の防止になります。勇気があればFacebookなどでパラグラフを投稿してみるのもいいかもしれません。あるいはオンラインの言語交換プラットフォームなどで添削をお願いしてみるのも良いかもしれません。


添削に関してなのですが、一口に添削と言っても色々な質のものがあります。ざっと目を通して単に良いか悪いかだけを教えてもらう類の荒いものもあれば、単語・文法・言い回しが変な所に下線を引いてくれるものもあります。更に質が上がれば、その間違いの箇所を訂正してくれるものもあります。添削は質が高ければ高いほど、そこから学べるものが多くなるのでなるべくそういう添削先を探しましょう。

ちなみに僕が英文と日本語学習者の日本語の添削をする時は、1つ1つ間違いの箇所を訂正した上でなぜそうなるかの理由をコメントとして書いています。それに加えて、関連単語・関連表現のリストを作って学習の質が更に高められるようにしています。最後に、こうすればもっと良くなるなどの次に繋がるようなアドバイスをつけています。もちろん英語の順番で情報が伝えられていなかった場合、その指摘・修正もします。私がそのような添削スタイルを採る理由は、他ならぬ私の英文を見てくれた先生がそれに近い形で添削をしてくれたからです。恩師の添削クオリティーを超えたい、という思いから関連単語・関連表現リストの追加をするようにしました。


あのイギリス人の先生の英語の指導に対する情熱にはただただ頭が下がる思いがするばかりです。1つのパラグラフを提出したら、コメントがA4の紙1枚、時には2枚びっしりと書いてあったのです。きっと1つのパラグラフを添削するのに1時間~2時間はかかっているのでしょう。そんな先生に出会えたことは実に幸運だったと今でも思っています。


せっかく時間と全力を投入して書き上げた英文ですから、時間やお金とも相談して自分に一番合った添削先が見つかると良いですね。

まとめ

日本語圏には日本語に合った情報伝達の順番があり、英語圏には英語に適した伝え方の順番がある。そのため英語を使う時は、普段の日本語の伝え方習慣を英語のものに変えるだけでコミュニケーションを円滑にすることができる。そこから得られるメリットは計り知れない。英語式の伝え方はライティングで磨くことができ、まとまった時間を取らないため今すぐ始めることができる。

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いかがでしたでしょうか。
英語は話せてなんぼとも言われますが、私は英語は伝わってなんぼだと信じています。伝わればもっと話したいと思われ、一歩深い交流ができます。そしてより仲の深い友達ができるようになります。そのための英文ライティングです。


あなたが英語で世界に発信したいことは何ですか?